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McCoy Tyner – Trident 後編

2020.03.22

私は2004年からDJ辰という名前で
クラブシーンやダンスバトルでDJをしています。

Hip HopやJazzはもちろんですが、FunkやR&Bなど、
「音楽の素晴らしさを色んな人に知ってもらいたい」と
数年前から私なりのエッセンスを加えたチャレンジをしています。


そのチャレンジがこちら



何をしているか説明しますね。

これはHip Hopの1on1ダンスバトル決勝戦。
DJは私です。



曲は2曲かかり、ダンサーは曲に合わせて2回踊ります。
ダンサーは何がかかるか知らされていません。
DJがかけた曲に合わせ即興で踊ります。



ここでは通常2曲かかるところを
私なりのエッセンスを加え合計3曲かけました。

①オリジナル / Jazz

②サンプリング(バトル1曲目)/ 90’s Hip Hop

③リリック繋ぎ(バトル2曲目) / New Track



サンプリング

McCoy Tyner – Trident前編
https://pablo1984.com/blog/mccoy-tyner-trident-pt1/
でご説明したサンプリング。

まずは1曲目。
普通にかければ、②Black Sheep – The Choice is yoursから始まるところを
その元ネタとなる①McCoy Tyner – Impressions中盤からスタート。

①のサンプリングされている
Ron Carterのベース部分をループさせ
「現場でサンプリング」をつくります。
(上記映像0:00~0:32)

そのサンプリングは②The Choice is yoursと同じなので、
そのままサンプリングしている②へ繋ぎ
バトル上での一曲目がかかりました。
( 上記映像0:33~)


リリック(歌詞)繋ぎ

次にラストムーブとなる2曲目。
②→③へ変わるのですが、
②The Choice is yoursでおなじみのリリック

“Engine, engine, number nine
On the New York transit line
If my train goes off the track
Pick it up! Pick it up! Pick it up!”


このPick it up! がサンプリングされている
③Lil Live – Dumboをリリックで繋ぎ
バトル2曲目をかけました。
( 上記映像2:41~)


完全に自己満足の世界ではありますが
おわかり頂けましたか?笑
①〜③は全然違う曲だけど、
私からすると全て繋がりがあります。


DJとしてのチャレンジ

何事も、掘り下げていくことで
本当の楽しさがわかると思います。


掘り下げるとMcCoy TynerのようなJazzに辿りつくし、
サンプリングなどのHip Hopカルチャーにも繋がります。
Jazz、Hip Hop、DJ、Dance
どれが欠けていても成り立ちません。


単なるバトルの曲ではなく
含みや意味をもたせることで
現場を楽しんでもらったり、
元ネタこれだったの!?って音楽に興味を持ってもらえるよう
私なりにチャレンジしています。

おさらいすると
①オリジナル / McCoy Tyner – Impressions
②サンプリング(バトル1曲目)/ Black Sheep – The Choice is yours
③リリック繋ぎ(バトル2曲目) / Lil Live – Dumbo

①がなければ②は存在していない。
②でPick it up! とラップをしていなかったら
③は存在していない。
ってことは①がなければ③も存在していないことになる。

McCoy Tynerの Impressionsが
後世にこれほどまで影響を及ぼすとは!!

R.I.P McCoy Tyner

二代目マスター 辰


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